注射で治す痔治療(ジオン) 保存治療で効果がなければ、外科的治療を 症状に合わせて、治療方針を決定します保存療法を続けても痔核からの出血が改善されない場合や、痔核の脱出をくり返す場合には、外科的療法が必要になります。痔核の大きさや位置、重症度など、痔の症状はひとりひとり違いますので、どの治療法を選択するかは、症状に合わせて決定します。 腫れて激しく痛む痔核 痔核が腫れ上がって激しく痛むときは、まずは安静にして、患部を温めて血行をよくしたり軟膏や座薬などの薬を使ったりして、腫れをひかせることが第一です。腫れ上がって大きく脱出しているように見えても、腫れがひいたら痔核自体は小さかったというケースもあるので、外科的療法を考えるのは、腫れがおさまってからでいいでしょう。 脱出する痔核を改善する硬化療法(ALTA療法) 硫酸アルミニウムカリウム水和物、タンニン酸(ALTA)を主成分とする硬化剤を注射することで、脱出や出血を改善する治療法です。痛みや出血がほとんどなく、短期間の入院で処置できます。新しい治療法のため特殊な投与技術が必要であり、決められた手技講習会を受講した専門医しか実施できず、まだ実施していない医療機関もあります。 痔核に硬化剤を、1つの痔核に対して4ヶ所に分け注射する 痔核へ流れ込む血液の量が減り、出血が止まる。脱出も軽くなる 痔核が次第に小さくなり、脱出が見られなくなる 1つの痔核に対して4箇所に薬液を分割して注射し、十分に浸透させます。複数の痔核がある場合にはそれぞれに対して同様に注射します。この投与法は、一般に「四段階注射法」と言われています。投与後、しばらくすると出血は止まり、脱出の程度も軽くなります。1週間から1ヶ月前後で投与された部分が小さくなり、脱出や肛門周囲の腫れもひいてきます。退院後もしばらく通院し、治療経過を確認することが必要です。 治療後の経過 1)以下のような普段と違う気になる症状(副作用)がおこる可能性があります。治療後は十分に注意し、もし症状が現れたらすぐに受診してください。 ・発熱(10日~2週間以内) ・頭痛 ・気分不快(吐き気・食欲不振)2)ALTA療法を受けた後に他の医療機関で直腸肛門の診察を受ける際には、ALTA療法を受けた旨を必ず医師に伝えてください。(注射した部分が硬くなるため、ガンと誤診される可能性があるため) 入院治療による治療後の経過